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Linuxでキリル文字をローマ字入力(UIM編)

GNU/LinuxのX Window System上でのキリル文字の入力は、他の言語と同様に、iBusやSCIMやuimといった入力メソッドのフレームワークと多言語化のライブラリであるm17nを導入することで実現することができる。

例えばLinuxディストリビューションがDebian GNU/Linux 10 (buster)の場合、かつ、iBusを使う場合、ibus、ibus-m17nといったdebパッケージをインストールすればよい。他の必要なパッケージも依存関係によって一緒にインストールされるはず。SCIMの場合はscim-m17n、UIMの場合はuim-m17nlibが代わりに必要になる。

ここでは以降、UIMを例に挙げる。

キリル文字の入力方法は一般に、キーボードのひとつひとつのキーにキリル文字がひとつひとつ割り付けられてある直接入力による方法か、ローマ字入力をする方法か、それらの二種類がある。ここではキリル文字をローマ字入力する方法を採り上げる。

UIMではuim-pref-gtk3かuim-pref-qt5を起動し、「全体設定」の「入力方式の利用準備」のフレームにある「使用可能にする入力方式」の「編集」を押してダイアログ画面を開き、そこでm17n-ru-translitを有功にする。

入力メソッドのツールバーが起動している場合はそこから「設定」を選んでuim-pref-*を起動することもできる。

m17n-ru-translitはローマ字入力を支援するので、キリル文字とローマ字との対応を理解している人であるならば新たに覚えるべきことはあまりない。ただし対応する文字がローマ字にはない場合がある。

m17n-ru-translitはスラブ語族で使われるキリル文字入力にほぼ対応している。中央アジア諸国、例えばカザフ語やキルギス語などの非スラブ語族(チュルク系言語)で使われているキリル文字には対応していない。

以下にキリル文字とm17n-ru-translitによる入力キーとの対応表を作ってみた。ほぼローマ字入力になることが分かる。入力方法が複数ある場合はカンマで区切って複数示した。

translitキリル文字入力対応表
入力方法 キリル文字
a а
b б
v в
g г
/g ѓ
d д
/d ђ
e, je е
jo, yo ё
/e є
zh ж
s с
z з
/s ѕ
i и
/i і
yi ї
j й
/j ј
k к
l л
/l љ
m м
n н
/n њ
o о
p п
r р
t т
/ch ћ
/k ќ
u у
u' ў
f ф
х, h, kh х
c ц
ch ч
/z џ
sh ш
shch, sj, /sht, /t щ
~ ъ
y ы
`, ' ь
e', e` э
ju, yu ю
ja, ya я

大文字の入力はShiftキーを使う。ローマ字入力で大文字入力をするのと同じ要領で実現できる。

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