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Debian GNU/Linux 10にゲームエンジンUnity 2020をインストール

今回の目的は、Debian GNU/Linux 10 (buster)にビデオゲーム・エンジンとして有名なUnityをインストールし、ビデオゲーム開発の準備をすること。

インストールするもの
Unity Version 2020.1.3f1 Personal

Unity 2020.1で公式にサポートされているハードウェア及びソフトウェアの構成は例えば次のウェブ・ページで確認することができる。

https://docs.unity3d.com/ja/2020.2/Manual/system-requirements.html

Debian GNU/Linux 10は公式にサポートされていないが、Ubuntuがサポートされているのでおそらく大丈夫だろうという考え。

ここで前提とする環境は次のとおり。

$ lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Debian
Description:    Debian GNU/Linux 10 (buster)
Release:        10
Codename:       buster

カーネルは次のとおり。

$ uname -sr
Linux 4.19.0-10-amd64

NVIDIA製やAMD製のような本格的なグラフィクス・カードは搭載していない。インテルの第2世代のコア・プロセッサのグラフィクス・コントローラ。

$  lspci | grep VGA
00:02.0 VGA compatible controller: Intel Corporation 2nd Generation Core Processor Family Integrated Graphics Controller (rev 09)

マシンのハードウェア構成を調べるには例えばlshw-gtkのようなdebパッケージをインストールすると便利。

$ su
apt update; apt install lshw-gtk

UnityHub.AppImageファイルを取得

Unityの公式サイトからUnityHub.AppImageというファイルを取得する。この手順においてUnity IDの取得は不要。

  1. https://unity3d.com/jp/にウェブ・ブラウザでアクセスする。
  2. トップ・メニューにある「Unityを入手」を押す。
  3. 「すべてのCookieを受け入れる」に同意する。以降同様。
  4. 「個人向け」というタブを選ぶ。
  5. 基準を満たしている学生なら「Student」を、そうでなければ「Personal」を選ぶ。以降Personalを選んだものとして話を進める。
  6. 新規ユーザーなら「新規ユーザー」の「はじめよう」を、すでにユーザーならば「リピートユーザー」の「こちらから」を選ぶ。以降新規ユーザーを選んだものとして話を進める。
  7. そうすると利用規約を記した画面が表われる。
  8. そこに書かれてある利用規約に同意する場合にのみ「同意してダウンロードする」を押す。
  9. UnityHub.AppImageを適当なディレクトリ(おそらくはホーム・ディレクトリかその中のダウンロード・ディレクトリ)内に保存する。

これでUnityHub.AppImageというファイルを取得することができた。

念のためにこのファイルをClamAVに渡してマルウェアの検査をしてみた。

$ su
# freshclam
(中略)
# exit
$ clamscan UnityHub.AppImage
/home/auser/download/UnityHub.AppImage: OK

----------- SCAN SUMMARY -----------
Known viruses: 8689839
Engine version: 0.102.4
Scanned directories: 0
Scanned files: 1
Infected files: 0
Data scanned: 0.00 MB
Data read: 77.30 MB (ratio 0.00:1)
Time: 15.741 sec (0 m 15 s)

感染ファイルなし。

UnityHub.AppImageファイルに実行許可を与える

ダウンロードしてローカル・ディスク上に保存したUnityHub.AppImageというファイルに実行許可を与える。

ファイル・マネージャ、例えばPCManFM 1.3.1の場合は、UnityHub.AppImageファイル上で右クリックして表われるメニューで「ファイルのプロパティ」を選び、「パーミッション」のタブを選んで「アクセス制御」の「実行」という項目で「すべて」を選ぶ。

ターミナル・エミュレータ上では、例えばchmodコマンドを使って次のようにする。

$ chmod a+x UnityHub.AppImage

a+xは所有者・グループ・その他の全てに対して実行許可を与えるという意味。

UnityHub.AppImageというファイルは、Unityを管理したり起動したりプロジェクトを作成したりするときにその都度使うことになるのでインストール後も削除しないこと。デスクトップ上に置いておけば起動アイコンとしても役に立つ。

Unity IDを取得

ここからの手順ではUnity IDが必要になる。

UnityHub.AppImageファイルを実行する。ターミナル・エミュレータ上からなら次のようにして。

$ ./UnityHub.AppImage

そうするとUnity利用規約が英文で表示される。これをコピー&ペーストして翻訳機にかけ、その内容に同意することができるのならば「Agree」を、同意することができなければ「Disagree」を選ぶ。以降はここでAgreeを選んだものとして話を進める。

ダイアログ画面が表われ、「ライセンス」という画面とともに「ライセンスがありません」と表示されるはず。その画面の右上にあるアイコンからUnity IDに「サインイン」を選ぶ。

「Unity IDをお持ちでない場合、こちらでIDを作成してください」と表示されるので、そのハイパーリンクからID作成手続きを行う。Unity IDをすでに取得している場合はサインインする。

サインインすると「新規ライセンス認証」ボタンが有効になるのでそれを押す。

「Unity Personal」を選ぶ。商業上または業務上の利用のためのライセンスを取得する場合は「前年度の総収益が10万ドル以下の会社または団体で使用します」を選ぶ。そうでなければ「Unityを業務に関連した用途に使用しません」を選ぶ。そして「実行」ボタンを押す。

ライセンスに関する簡単な説明が表示されるのでそれを読んで納得することができたら「更新を確認」を選ぶ。そうでなければ「ライセンスを返却」を選ぶ。以降は「更新を確認」を選んだものとして話を進める。

「ライセンスは最新です」というメッセージが表われたら完了。

「一般」の画面でUnityエディタのインストール先ディレクトリを選ぶ。Linuxの場合、デフォルトでは~/Unity/Hub/Editorにインストールされるらしい。

「言語」では「日本語」が選ばれていることを確認する。

「詳細」では「リリースチャンネル」として「正式」が選ばれていることを確認する。

これで環境設定が終わったので「←環境設定」の左矢印」を押して環境設定画面から抜け出す。

いよいよインストール

「インストール」という項目を選び、「インストール」というボタンを押す。

「Unityのバージョンを選ぶ」メニューで「最新正式リリース」の最も新しいバージョンが選択されていることを確認する。そして「次へ」。

「モジュールをインストールに加える」では、一緒にインストールしたモジュールを選んでチェックを入れる。Android向けとLinux向けにゲームを作りたいので、「Android Build Support」と「Linux Build Support」にチェックを入れた。それから言語パックとして「日本語」にもチェックを入れた。

「モジュールを加える」では「Documentation」のチェックを外さないこと。これを外すとなぜか日本語化ができなくなる可能性がある。

モジュールのインストールは後からでも必要に応じて行うことができるので、この選択であれこれ悩む必要はない。ディスク容量に余裕があれば全てを選んでもいい。

「次へ」を押すと、「エンドユーザーライセンス契約」の画面が表われる。ただし英文。コピー&ペーストもできないようだ。同意する場合は「上記の利用規約を理解し、同意します」にチェックを入れて「実行」を押す。

これでインストールが始まる。

インストール先のディレクトリにユーザーのホーム・ディレクトリ下以外の場所を選んだ場合、アクセス許可の制限でインストール直前で処理が中断するかもしれない。その場合はスーパーユーザー権限でUnityHub.AppImageを実行する必要があるかもしれない。

インストールがうまくいけば、インストールの画面にそのバージョンのUnityがアイコンとバージョンとともに表示された状態になる。ここからモジュールを新たに追加でインストールすることができる。

Unityエディタの起動及びプロジェクト作成

UnityHub.AppImageファイルを実行する。

$ ./UnityHub.AppImage &

「プロジェクト」から「新規作成」を選択してプロジェクトを新規に作成する。

プロジェクトを新規作成すると、そのプロジェクトが一覧に表示され、次回からそのプロジェクトを押すことでUnityとプロジェクトを起動することができる。

ちなみにUnityエディタ本体は次の場所にある。

$ インストール先ディレクトリのパス/バージョン番号/Editor/Unity &

日本語化

追加モジュールのインストールで日本語言語パックにチェックを入れていた場合、Unityエディタのメニューなどを日本語化することができる。日本語化にはDocumentationというモジュールも必要になる可能性がある。

  1. Unityエディタのトップメニューにある「Edit」から「Preferences...」を選び、「Languages」という項目を選んで「English」を「日本語(Experimental)」に変える。
  2. そしてUnityエディタを再起動。

これでうまくすれば日本語化されるが、完全に日本語化されるわけではなく一部は英語のまま残る。

感想

グラフィカル・ユーザインターフェイスの描画で残像現象が起こる。最新のグラフィクス・カードを搭載する必要があるのかもしれない。

参考になるウェブ・ページのURL

ダウンロード・アーカイブ
https://unity3d.com/get-unity/download/archive
インストール・マニュアル
https://docs.unity3d.com/ja/2020.1/Manual/GettingStartedInstallingHub.html
ユーザー・マニュアル
https://docs.unity3d.com/ja/2020.1/Manual/
回答集(英文)
https://answers.unity.com/
フォーラム(英文)
https://forum.unity.com/
https://forum.unity.com/threads/unity-on-linux-release-notes-and-known-issues.350256/

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