ブログの説明

学校に通わないで学んだことを記しています。間違っているところが何かありましたらご指摘下さると幸いです。コメントに対する返信が遅れる可能性があります。その場合は申し訳ありません。

このブログではサイドバーに広告を表示しています。このブログ内の投稿記事を検索するには右上の拡大鏡のアイコンを、アーカイブやラベル付けから投稿記事を閲覧するには左上の三重線のアイコンをクリックして下さい。

数式の表示にはMathJaxを利用させていただいています。数式の表示のためにJavaScriptが有効である必要があります。そうでない場合、訳の分からないLatexのコードが表示されます。幾何学図形やチャートの表示にはHTML5 CanvasやGoogle Chartを使用しています。その表示のためにもJavaScriptが有効である必要があります。

ローマ字読みできないスペイン語の子音

スペイン語の子音字は、母音字と同様、ローマ字読みが基本的にできます。しかし、注意すべき例外がいくつかあります。それらの点についてここに記しておきます。

//で挟んであるのは発音記号です。ただし厳密ではありません。発音記号中のアポストロフィ/ˈ◌/はその直後の音節に強勢があることを示しています。強勢(acento léxico)とは、その音節が相対的に高い音程で若干長めに呼気を強めてはっきりと発音されることです。強勢のある音節はスペイン語でsílaba tónicaと呼ばれています。

スペイン語では、単語の強勢が母音字の上のアクサン記号によって綴られる場合があります。スペイン語ではアクサン記号のことをacento gráficoやtildeと呼んでいるようです。gráficoという単語のaの上にあるのがそれです。それが綴られるかどうかはスペイン語の綴り方の規則に従って単語ごとに決まっています。この点については別の機会に説明するつもりです。

bとv
スペイン語では、bとvの音は日本語と同じく区別されず、いずれも/b/と発音されます。ただし、有声子音の前のfが/v/と発音されることがあります。
vino /'bino/ ぶどう酒、virus /'biɾus/ ウィルス、ビールス、bonita /bo'nita/ きれいな、por favor /poɾfa'boɾ/ お願いします、saber /sa'beɾ/ 知っている
w
wは外来語の表記に使われ、多くの場合/w/と発音されます。/b/と発音される場合もありますが、その場合はvで綴られている可能性が高いです。
whisky /'wiski/ ウィスキー、western /'westan/ 西部劇、Washington /'waʃiŋton/ ワシントン、Volkswagen /bolks'waxen/ /folks'waɡen/ フォルクスワーゲン、wáter -> váter /'bateɾ/ トイレ
ca, qui, cu, que, co
日本語で言うところのカ行はスペイン語ではca, qui, cu, que, coと綴られてカ、キ、ク、ケ、コと読まれます。ただし、外来語ではkがカ行で発音されます。
casa /'kasa/ 家、queso /'keso/ チーズ、tranquilo /tɾaŋ'kilo/ 静かな、落ち着いた、qué /'ke/ 何、どんな、que /ke/(物、事、人、なんでも受けられる関係代名詞)
ciとce
ciとceのc-は/θ/と発音されます。英語ではthと綴られる音で、かつ濁らない無声音のほうです。ただし、スペイン南部やラテンアメリカ諸国では/s/と発音されているようです。
centro /'θentɾo/ /'sentɾo/ 真ん中、hacer /a'θeɾ/ /a'seɾ/ する、¡Gracias! /'gɾaθjas/ /'ɡɾasjas/ ありがとう、cinco /'θiŋko/ /'siŋko/ 五
ga, gui, gu, gue, go
日本語で言うところのガ行はスペイン語ではga, gui, gu, gue, goと綴られてガ、ギ、グ、ゲ、ゴと読まれます。発音記号は/ɡ/です。guiとgueの-u-が発音されず、黙字になることに要注意です。
jugar /xu'ɡaɾ/ 遊ぶ、賭ける、ligue /'liɡe/ ナンパ、逆ナン、guiar /ɡi'aɾ/ 案内する、導く
giとge
giとgeのgはハ行(発音記号は/x/)として発音します。つまり、giはヒ、geはヘ。ただし、/x/は喉ちんこに近い上顎の奥のほう(軟口蓋)から発するハ行音です。ギリシア語のχという字やロシア語のхという字やエスペラント語のĥという字、さらにはドイツ語で「夜」を表わすNachtのchがこの音を持っています。
general /xene'ɾal/ 一般的な、cónyuge /'konʝuxe/ /'konɲuxe/ 配偶者
gua, guo, güe, güi
gua, guo, güe, güiはグァ、グォ、グェ、グィです。gueは/ɡe/と発音され、guiは/ɡi/と発音されますが、güeは/gwe/と発音され、güiは/gwi/と発音されます。-ü-はつまり/w/という音価を持っています。この字上の点々は、ドイツ語ではウムラウトとして知られていますが、スペイン語ではdiéresis /'djeɾesis/(ディエレシス)と呼ばれています。
guapo /'ɡwapo/ 容姿端麗、格好良い、かわいい、bilingüe /bi'liŋgwe/ バイリンガル、バイリンガルの、paragüero /paɾa'ɡweɾo/ 傘立て、pingüino /pin'ɡwino/ ペンギン
h
hはhache /'atʃe/(アチェ)と呼ばれていますが、原則的に発音されない字です。ただし、Halloweenのように、外来語や固有名詞では例外です。また、次に示すように、chは例外です。
¡Hola! /'ola/ こんにちは、¡Hasta pronto! /asta pɾonto/ じゃまたね、ahí /a'i/ そこ、あそこ、Halloween /'xalowin/ ハロウィン、hamster /'xamsteɾ/ /'amsteɾ/ ハムスター
ch
スペイン語ではhを発音しませんが、chは例外です。chはチャ行を表しています。発音記号は/tʃ/です。
lechuga /le'tʃuɡa/ レタス、chocolate /tʃoco'late/ チョコレート、mucho /'mutʃo/ とても、非常に、たくさんの、多くの
j
発音されないhの代わりにjがhの役目を果たし、ja, ji, ju, je, joをハヒフヘホと読みます。ただし、喉ちんこに近い上顎の奥のほう(軟口蓋)から発するハ行音(発音記号は/x/)です。ギリシア語のχという字やロシア語のхという字、またはエスペラント語のĥという字が、この音を持っています。ただし、ラテンアメリカ諸国の一部では/h/と発音されているようです。
jueves /'xweβes/ 木曜日、pájaro /'paxaɾo/ 小鳥、junto /'xunto/ 一緒に、共に、japonés /xapo'nes/ 日本の、日本人、日本語
x
xは基本的に/ks/ですが、子音の前でkを失って/s/や/ʃ/のように発音されることも少なくありません。例外的に/x/または/ç/と発音される場合があります。例えばメキシコの国名はメキシコ本国ではMéxicoと表記されますが、それ以外ではスペイン語の通常の原則に従ってMéjicoと表記されています。発音はどちらも同じです。
exito /'eksito/ /'esito/ 成功、excepción /eksθep'θjon/ /eksep'sjon/ /esep'sjon/ 例外、México (Méjico) /'mexiko/ メキシコ、pretexto /pɾe'teksto/ /pɾe'testo/ 言い訳
ll
llはこれで一音です。llとyの発音は、人や方言や単語によってその音に幅があり、/ʝ/または/ʎ/または /ʒ/で発音されているようです。llは/ʎ/(硬口蓋側面接近音)、yは/ʝ/(有声硬口蓋摩擦音)とかつて区別されていたらしいですが、現在ではそれらを区別していない話者が多いと言われています。日本人には非常に短く発音したリィ(/lj/)に聞こえることがあります。アルゼンチンやウルグアイではシャ行(発音記号では/ʃ/)のように発音されることが多いです。要するに、日本語のヤ行、リャ行、ジャ行、シャ行の幅で理解しておくとよいかもしれません。
estrella /es'tɾeʝa/ /es'tɾeʎa/ /es'tɾeʒa/ /es'tɾaʃa/ 星、yo /ʒo/ 私が、calle /kaʝe/ /kaʎe/ /kaʃe/ 通り、paelle /pa'eʝa/ /pa'eʎa/ /pa'eʃa/ パエリヤ(バレンシア地方名物のフライパン料理)、yo /'ʒo/ /'ʝo/ /'ʃo/ 私が、ya /'ʝa/ /'ʒa/ /'ʃa/ もう、すでに、今すぐに、yacer /ʝa'θeɾ/ /ʒa'seɾ/ /ʃa'ser/ 横たわっている、葬られている
y
単語のyと母音後の語末のyは/i/と発音されます。
y /i/ と、そして(英語でいうところのand)
ñ
スペイン語の文字にはローマ字にはないñという字があり、ニャ行の音を持っています。発音記号は/ɲ/です。
España /es'paɲa/ スペイン、enseñar /ense'ɲaɾ/ 教える、示す、baño /'baɲo/ 入浴、浴室
r, rr
rは日本語のラ行と等しい歯茎はじき音または歯茎たたき音(ともに発音記号は/ɾ/)ですが、語頭のr、語中の-rr-、lかnかsの後の-rでは歯茎ふるえ音(音声記号は/r/)で発音されることが多いです。歯茎ふるえ音は歯茎はじき音を小刻みに複数回繰り返す発音で、舌先を痙攣させているように見えます。日本では巻き舌と呼ばれて知られています。
primavera /pɾima'βeɾa/ 春、perro /'pero/ 犬、ferrocarril /feroka'ril/ 鉄道、restaurante /restaw'ɾante/ レストラン
z
zはciやceのときのc-と同じ音であり、英語のthの無声音のほうの/θ/でありますが、ラテンアメリカ諸国では/s/と発音されています。有声子音の前では有声化して/ð/(ラテンアメリカでは/z/)になることがあります。例外としてpizza(ピザ)はイタリア語式に「ピッツァ」と発音されていることが多いです。
azul /a'θul/ /a'sul/ 青色、青色の、nariz /na'ɾiθ/ /na'ɾis/ 鼻、Venezuela /bene'θwela/ /bene'swela/ ベネズエラ、
スペイン語の子音の発音
文字 発音
b /b/ /β/
c-[a,o,u] /k/
c-[e,i] /θ/ /s/
ch /tʃ/
d /d/ /ð/ -
f /f/ /ɸ/
g-[a,o,u] /ɡ/ /ɣ/ /ɰ/
g-[e,i] /x/
g-[ua,uo,üe,üi] /ɡʷ/
h -
h-[ie]- /ʝ/ /ʒ/
j /x/
-j /x̥/
k /k/
l /l/
ll /ʝ/ /ʎ/ /ʒ/ /ʃ/
m /m/
m-[f] /ɱ/
n-[b,p] /m/
n /n/
n-[g,k,x] /ŋ/
ñ /ɲ/
p /p/ -
q-[ue,ui] /k/
r- /r/
[l,n,s]-r /r/
-rr- /r/
-r- /ɾ/
s /s/ /z/
t t
v /b/ /β/
w /b/ /β/ w
x /ks/ /ɣs/ /x/
x-[子音] /s/ /ʃ/ /ks/
(単独の) y /i/
[母音]-y /i/
y /ʝ/ /ʒ/ /ʃ/
z /θ/ /s/
z-[有声子音] /ð/

1つの字に複数の音声記号が記されているのは、前後の音声環境や個人差による異音、もしくは地域差による方言です。

ハイフンはその前や後に単語の綴りが連なることを意味させています。例えば、r-は語頭や音節の頭にrがあることを意味させ、-jは語尾または音節末にjがあることを意味させ、-rr-は語中にrrがあることを意味させています。

また、g-[a,o,u]-は、ga-, go-, gu-と綴られる語頭を持つ環境でのgの発音を意味させています。[l,n,s]-rは、lr, nr, srと綴られる環境でのrの発音を意味させています。z-[有声子音]は、zの後に有声子音が来る環境でのzの発音を意味させています。発音記号での単独のハイフンはその字を発音しないことを示しています。

コメント

このブログの人気の投稿

Visual Studio 2019にはC++のためのフォームデザイナーがない件

10の補数と9の補数と2の補数と1の補数

LATEXで数式:指数と順列などで使う添数・添字