Debian10へのVisual Studio Codeのインストールと日本語化
- Linuxディストロ
- Debian GNU/Linux 10 (Buster)
ここでは3つのインストール方法を紹介する。そして最後に日本語化の手順を示す。
※ Visual Studio Codeをダウンロードしてインストールするとそのライセンス契約に同意したことになるので要注意。
debパッケージをダウンロードしてインストール
Debian, Ubuntu, Red Hat, Fedora, SUSEのような主要なLinuxディストロでは、Visual Studio Codeの公式サイトの右上のDownloadボタンを押せば、そこから各々のディストロ用のdebまたはrpmパッケージをダウンロードすることができる。
ちなみに、公式サイトにはtar.gzも用意されている。ただし、Windows版では32bitが用意されているが、Linuxでは64bitしかない。
ダウンロードしたdebパッケージをインストールするには次のようにする。ただし、aptというdebパッケージがすでにインストールされていることが前提。
$ su # apt install ./code_1.46.1-1592428892_amd64.deb
この方法でインストールした場合、MicrosoftのLinuxソフトウェア用のリポジトリが/etc/apt/sources.list.d/vscode.listファイル内に自動的に登録されるはず。
$ cat /etc/apt/sources.list.d/vscode.list ### THIS FILE IS AUTOMATICALLY CONFIGURED ### # You may comment out this entry, but any other modifications may be lost. deb [arch=amd64] http://packages.microsoft.com/repos/vscode stable main
したがって、次のようにしてVisual Studio Codeを常に最新の状態に保つことができると思われる。
$ su # apt update; apt upgrade
さらに、Microsoftの公開鍵(signature key)も自動的に登録されるはず。それは次のように確認できる。
$ apt-key list (中略) /etc/apt/trusted.gpg.d/microsoft.gpg ------------------------------------ pub rsa2048 2015-10-28 [SC] BC52 8686 B50D 79E3 39D3 721C EB3E 94AD BE12 29CF uid [ 不明 ] Microsoft (Release signing) <gpgsecurity@microsoft.com>
なんらかの理由でこの公開鍵を手動で削除したい場合、次のようにする。
$ su # apt-key del BE1229CF OK
特別な理由がないかぎりこの操作は手動でしないほうがいい。
aptを使って次のようにすれば、Visual Studio Codeをアンインストールすることができる。
$ su # apt purge code
設定ファイルを残したい場合はpurgeの代わりにremoveを使うべきかもしれない。
snappyを使ったインストール
別のインストール方法はLinuxディストロ共通のsnapパッケージを使うこと。
Linuxディストロにsnapデーモンがインストールされていない場合はインストールしておく。Debian 10またはDebian 9では次のようにする。
$ su # apt update; apt install snapd
snapdのインストール後に、再ログインか、システムの再起動をする必要があるかもしれない。
Snap StoreでVisual Studio Codeを検索してインストール環境となるLinuxディストロを選択する。そうすると、各々のLinuxディストロのためのインストール手順が記されてあるウェブページが開く。後はそれを参照してその手順に従う。ここではDebianでのインストール手順を示す。
$ su # snap install code --classic Warning: /snap/bin was not found in your $PATH. If you've not restarted your session since you installed snapd, try doing that. Please see https://forum.snapcraft.io/t/9469 for more details. code cd9ea648 from Visual Studio Code (vscode✓) installed
インストールに成功したが、「/snap/binがあなたの$PATH中に見つからない。snapdのインストール後、あなたのセッションを再始動させていなかったなら、それをやってください」と警告が表示された。警告どおりにやってみたのだが、警告は消えなかった。私の環境ではこの警告はVisual Studio Codeを再インストールしてから表示されるようになってしまった。
snappyを使ってインストールしたVisual Studio Codeは/snap以下にインストールされる。snappyでインストールしたアプリはDebianのメニューやデスクトップ環境のメニューに登録されなかった。
/snap/binディレクトリ内に起動ファイルのシンボリック・リンクが張られるので、それを起動する。snappyを使ってインストールしたVisual Studio Codeを起動するには、ターミナル・エミュレータから例えば次のようにコマンドを入力してEnterキーを押す。
$ /snap/bin/code &
環境変数$PATHに/snap/binを追加しておくと、/snap/binをいちいち入力する必要がなくなる。
特定のユーザ向けに環境変数を追加する場合、そのユーザの/homeディレクトリ内にある隠しファイルの.profileの末尾に次のように記述して保存する。
# 環境変数へ追加 export PATH=$PATH:/snap/bin
そしてsourceコマンドを実行するか再ログインするとこれが有効になる。
$ source ~/.profile
そのマシン上でDebian10を使っている全てのユーザ向けにこれをするには、/etc/profileファイルか/etc/environmentファイルに同じことをすればいいが、安全上賢明ではないかもしれない。
snappyを使ってインストールしたアプリの一覧を表示するには次のようにする。
$ snap list Name Version Rev Tracking Publisher Notes code cd9ea648 35 latest/stable vscode✓ classic core 16-2.45.1 9436 latest/stable canonical✓ core
snapパッケージの更新は次のようにする。
$ su # snap refresh
snappyを使ってインストールしたVisual Studio Codeを削除するには次のようにする。
$ su # snap remove code
snapdをpurgeするときに次のようなエラーが生じてpurgeできないときがある。
$ su # apt purge snapd (中略) Removing snapd cache rm: '/var/cache/snapd/aux' を削除できません: ディレクトリです dpkg: パッケージ snapd の処理中にエラーが発生しました (--purge): installed snapd package post-removal script subprocess returned error exit status 1 処理中にエラーが発生しました:
これは削除されないディレクトリを手動で削除してやれば解決する。
$ su # rm -R /var/cache/snapd
ややテクニカルなインストール方法
Linuxのコマンド操作にやや通じているLinxersのためのインストール方法を最後に紹介する。
curlとapt-transport-httpsというdebパッケージが必要になるので、インストールされていなければ、あらかじめインストールしておく。
$ su # apt update; apt install curl apt-transport-https
curlを使ってMicrosoftのPGP公開鍵をダウンロードし、その結果をパイプを使ってapt-keyに渡す。
$ su # curl https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc | apt-key add - (中略) OK
sudoを使っている人は次のようにする。
$ curl https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc | sudo apt-key add - (中略) OK
うまくいけばOKと表示される。
成功すれば公開鍵が登録される。そのことを次のようにして確認することができる。
$ apt-key list /etc/apt/trusted.gpg.d/microsoft.gpg ------------------------------------ pub rsa2048 2015-10-28 [SC] BC52 8686 B50D 79E3 39D3 721C EB3E 94AD BE12 29CF uid [ 不明 ] Microsoft (Release signing) <gpgsecurity@microsoft.com>
次にMicrosoftのLinuxソフトウェア用のリポジトリのための設定をする。
Debian 10の場合、リポジトリを記述した設定ファイルを/etc/apt/sources.list.dディレクトリ下に作ればいい。
次の例はechoコマンドと>>というリダイレクト演算子を使ってそれを行ったもの。
$ su # echo 'deb [arch=amd64] https://packages.microsoft.com/repos/vscode stable main' >> /etc/apt/sources.list.d/vscode.list
この方法で設定したリポジトリを削除するには単純に/etc/apt/source.list.d/microsoft-prod.listファイルを削除すればいい。
$ su # rm /etc/apt/sources.list.d/vscode.list
作成したvscode.listファイルを残してリポジトリだけを削除したい場合は例えば次のようにすることができる。
$ su # sed -i '/packages.microsoft.com/d' /etc/apt/sources.list.d/vscode.list
ただし、'/packages.microsoft.com/d'のpackages.microsoft.comの部分は一意に合致する文字列である必要がある。同じ文字列を含む行が他にもある場合にはそれらも削除されてしまうので要注意。
リポジトリをsources.listに登録することができたら、aptを使ってVisual Studio Codeをインストールすることができる環境が整ったので、次のようにしてインストールする。
$ su # apt update; apt install code
この手順でインストールした場合はデスクトップ環境のメニューの例えばプログラミングにVisual Studio Codeが登録されるはず。そこから起動できる。
インストールしたVisual Studio Codeを最新版に保つには、aptを使って他のdebパッケージと同じように、updateとupgradeを実行してやればいい。
$ su # apt update; apt upgrade
Visual Studio Codeのアンインストールは次のようにする。
$ su # apt purge code
日本語化の手順
Visual Studio Codeはデフォルトでは英語版になっているので、日本語の言語パックをインストールして日本語化することができる。その手順は次のとおり。
- Visual Studio Codeを起動する。
- メニューバーにあるViewからCommand Palette...を選ぶ。
- コマンドプロンプトが表示されるのでそこにdisplayという入力して検索する。
- Configure Display Languageが表示されるはずなので、それを選ぶ。
- そうすると、Install additional languages...が表示されるはずなので、それを選ぶ。
- そうするとおそらく画面左に言語パックの一覧が表示されるはず。
- それらの言語パックの中からJapanese Language Pack for...を見つける。
- その右下のInstallボタンを押す。
- インストールが完了したらVisual Studio Codeを再起動する。
- メニューが日本語になっていれば成功。
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