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10進数とその各桁の重み

10進法

0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22,...99, 100, 101, 102,...109, 110, 111, 112,...129, 120, 121,...199, 200, 201, 201,...299, 300, 301,...999,...1000, 1001,...(,は区切りを、...は省略を意味する)

このように数える方法を10進法と呼び、10進法によって表した数を10進数(decimal number)と呼ぶ。10進法では0から9まで10個の数に対応する記号(この場合はアラビア数字)を使って表す。0から始まり9まで達すると位取り記数法によって桁を1つ増やして10と記し、各桁(位)の数が9に達するごとに桁数を順次増やすことで無限に数えてゆくことができる仕組みになっている。

10進数におけるそれぞれの桁(位)の重み

例えば10進数の238は次のような式へと分解して表すことができる。
\[ \begin{align}
238 &= 200 + 30 + 8 \\
&= 2 \times 100 + 3 \times 10 + 8 \times 1 \\
&= 2 \times 10^2 + 3 \times 10^1 + 8 \times 10^0
\end{align} \]
238という数の2は100の位にあるので\( 2 \times 100 = 200 \)を表し、3は10の位にあるので\( 3 \times 10 = 30 \)を表し、8は1の位にあるので\( 8 \times 1 = 8 \)を表している。これらの位を表す数、100、10、1、\( 10^2 \)、\( 10^1 \)、\( 10^0 \)は、数学では桁値 (place value)と呼ばれたりするが、計算機科学では桁の重みと呼ばれている。

次の表には10進法の数が各桁において持つ重みを表してある。

10進数の各桁(位)の重み
各桁 9 9 9 9 9 9
重み \( 10^5 \) \( 10^4 \) \( 10^3 \) \( 10^2 \) \( 10^1 \) \( 10^0 \)
100,000 10,000 1,000 100 10 1

この表から、それぞれの桁の重みが、一の位、十の位、百の位、千の位、万の位、十万の位に対応していることが一目でわかる。この表で\( 10^0 = 1 \)、\( 10^1 = 10 \)となっていることに要注意。なぜそうなるかといえば、右肩の上に小さな数字(=指数)が乗った累乗と呼ばれる数は次のような意味を表すとされているから。

\[ \begin{align}
& 10^0 = 1 \\
& 10^1 = 1 \times 10 \\
& 10^2 = 1 \times 10 \times 10 \\
& 10^3 = 1 \times 10 \times 10 \times 10 \\
& 10^4 = 1 \times 10 \times 10 \times 10 \times 10
\end{align} \]

正の整数の10進法の数が持つそれぞれの桁の重みは次のように求めることができる。例えば10進数78352の7は1の位から左へ数えて5桁目に位置しているので、10の「5マイナス1乗」となる。「マイナス」は「引き算」を意味する。この10は10進数の10を意味している。つまり、
\[ \begin{align}
10^{5-1} &= 10^4 \\
&= 10 \times 10 \times 10 \times 10 \\
&= 10000
\end{align} \]
と計算することができ、この桁は10000倍の重みを持っていると言うことができる。つまり、78352の5桁目にあるこの7は\( 7 \times 10000 = 70000 \)を意味している。78352の3は1の位から左へ数えて3桁目にあるので、
\[ \begin{align}
10^{3-1} &= 10^2 \\
&= 10 \times 10 \\
&= 100
\end{align} \]
と計算することができ、この桁が100倍の重みを持っていることがわかる。つまり、78352の3桁目にあるこの3は\( 3 \times 100 = 300 \)を意味している。一般に、10進数において1の位から左へn桁目の数は\( 10^{n-1} \)倍の重みを持っていると考えることができる。

負の整数(ネガティブ数)における桁の重み

英語では引き算の「引く」を「マイナス」と呼び、負数を「ネガティブ・ナンバー」と呼ぶので、ここではそれに従う。

10進法の負の整数は正の整数にネガティブ符号を付けて表すだけの違いがあるにすぎず、正の整数のように計算し、その結果にネガティブ符号を付けるだけで計算することができる。したがって負の整数を用いた四則演算の解き方を知っている必要はない。

10進数の負の整数-999999と各桁(位)の重み
各桁 -(9 9 9 9 9 9)
重み \( -(10^5) \) \( -(10^4) \) \( -(10^3) \) \( -(10^2) \) \( -(10^1) \) \( -(10^0) \)
-100,000 -10,000 -1,000 -100 -10 -1

負(ネガティブ)を意味する符号-が付けられた負の整数-78352の8は1の位から左へ数えて4桁目にあるので、
\[ \begin{align}
-\left(10^{4-1}\right) &= -\left(10^3\right) \\
&= -\left(10 \times 10 \times 10\right) \\
&= -1000
\end{align} \]
と計算することができ、この桁が-1000倍の重みを持っていることがわかる。つまり、-78352の4桁目にあるこの8は\( 8 \times -1000 = -8000 \)を意味している。-9583の5は1の位から左へ数えて3桁目に位置しているので、
\[ \begin{align}
-\left(10^{3-1}\right) &= -\left(10^2\right) \\
&= -\left(10 \times 10\right) \\
&= -100
\end{align} \]
と計算することができ、この桁が-100倍の重みを持っていることがわかる。つまり、-9583の3桁目にあるこの5は\( 5 \times -100 = -500 \)を意味している。

負の整数の重みは\( -\left(10^{n-1}\right) \)であって\( \left(-10\right)^{n-1} \)ではないことに要注意。負の整数でも正の整数でも各桁の重みそのものが\( 10^{n-1} \)になる点は同じで、負の整数の場合には計算結果にネガティブ符号を後からくっつければよいだけである。\( \left(-10\right)^{n-1} \)だと、それは(-10)進法を意味してしまうだろう。ここで扱っているのは(-10)進法ではなく10進法での負の整数にすぎない。

小数点以下の桁の重み

10進法は、小数(小数点以下の数) = {0.0, 0.1, 0.2, 0.3, 0.4, 0.5, 0.6, 0.7, 0.8, 0.9, 0.01, 0.02, 0.03, 0.04, 0.05, 0.06, 0.07, 0.08, 0.09, 0.001,...}(,は区切りを、...は省略を意味する)を表すためにも使われている。

次の表には小数とその桁が持つ重みを表してある。

10進数の小数9.99999と各桁(位)の重み
各桁 9. 9 9 9 9 9
重み \( 10^{-0} \) \( 10^{-1} \) \( 10^{-2} \) \( 10^{-3} \) \( 10^{-4} \) \( 10^{-5} \)
\( \dfrac{1}{10^0} \) \( \dfrac{1}{10^1} \) \( \dfrac{1}{10^2} \) \( \dfrac{1}{10^3} \) \( \dfrac{1}{10^4} \) \( \dfrac{1}{10^5} \)
\( \dfrac{1}{1} \) \( \dfrac{1}{10} \) \( \dfrac{1}{100} \) \( \dfrac{1}{1000} \) \( \dfrac{1}{10000} \) \( \dfrac{1}{100000} \)
1.0 0.1 0.01 0.001 0.0001 0.00001

小数点以下の桁ではその重みは小数の値か分数の値になる。下の数は表記が異なるだけで値としてはすべて1と等しいことに要注意。
\[ 10^{-0} = 10^0 = \dfrac{1}{10^0} = \dfrac{1}{1} = 1.0 = 1 \]
これらは小数点以上の数である1を共通して表している。

負(ネガティブ)の指数を持つ累乗は次のような数式として表わすことができる。
\[ \begin{align}
& 10^{-0} = \dfrac{1}{1} = 1 \\
& 10^{-1} = \dfrac{1}{1 \times 10} = 0.1 \\
& 10^{-2} = \dfrac{1}{1 \times 10 \times 10} = 0.01 \\
& 10^{-3} = \dfrac{1}{1 \times 10 \times 10 \times 10} = 0.001 \\
& 10^{-4} = \dfrac{1}{1 \times 10 \times 10 \times 10 \times 10} = 0.0001 \\
& 10^{-5} = \dfrac{1}{1 \times 10 \times 10 \times 10 \times 10 \times 10} = 0.00001
\end{align} \]

ある小数において小数点以下の桁の重みを求めるためには次のようにする。例えば10進数の小数0.5649の小数点以下にある9は小数点から右へ数えて4桁目にあるので、10のネガティブ4乗、すなわち10の4乗分の1、
\[ \begin{align}
10^{-4} &= \dfrac{1}{10^4} \\
&= \dfrac{1}{10 \times 10 \times 10 \times 10} \\
&= \dfrac{1}{10000} \\
&= 0.0001
\end{align} \]
と計算することができ、この計算結果からこの桁が0.0001倍の重みを持っていることがわかる。つまり、0.5649の小数点以下にあるこの9は、
\[ \begin{align}
9 \times 0.0001 &= 0.0009 \\
&= \dfrac{9}{10000}
\end{align} \]
を意味している。10進法の小数2.57の7は小数点から右へ数えて2桁目にあるので、
\[ \begin{align}
10^{-2} &= \dfrac{1}{10^2} \\
&= \dfrac{1}{10 \times 10} \\
&= \dfrac{1}{100} \\
&= 0.001
\end{align} \]
と計算することができ、この桁が0.001倍の重みを持っていることがわかる。つまり、2.57の小数点以下にあるこの7は、
\[ \begin{align}
7 \times 0.001 &= 0.007 \\
&= \dfrac{7}{1000}
\end{align} \]
を意味している。10の-n乗というのは10のn乗分の1のことを意味していて、10進数における小数点以下の各桁の重みは一般に、
\[10^{-n} = \dfrac{1}{10^n} \]
という文字式によって表すことができる。

それぞれの桁が持つ重みという概念は、それぞれの桁が持つ単位を意味する。それぞれの桁として記された数をその重みのぶんだけ掛ける(n倍にする)ことによってその各桁(位)の正しい値を求めることができる。

\[ \begin{align}
586.94 &= 5 \times 10^{3-1} + 8 \times 10^{2-1} + 6 \times 10^{1-1} + 9 \times 10^{-1} + 4 \times 10^{-2} \\
&= 5 \times 10^2 + 8 \times 10^1 + 6 \times 10^0 + 9 \times \dfrac{1}{10^1} + 4 \times \dfrac{1}{10^2} \\
&= 5 \times 100 + 8 \times 10 + 6 \times 1 + \dfrac{9}{1} \times \dfrac{1}{10} + \dfrac{4}{1} \times \dfrac{1}{100} \\
&= 500 + 80 + 6 + \dfrac{9 \times 1}{1 \times 10} + \dfrac{4 \times 1}{1 \times 100} \\
&= 586 + \dfrac{9}{10} + \dfrac{4}{100} \\
&= 586 + 0.9 + 0.04 \\
&= 586 + 0.94 \\
&= 586.94
\end{align} \]
このように確かに等しいことが解る。

まとめ

10進法での正の整数の小数点以上の各桁の重みは(nは1の位から左へ数えてn桁目):
\[ = 10^{n-1} \]
10進法での負の整数の小数点以上の各行の重みは(nは1の位から左へ数えてn桁目):
\[ = -\left(10^{n-1}\right) \]
10進法での正の整数の小数点以下の各桁の重みは(nは小数点から右へ数えてn桁目):
\[ = 10^{-n} = \dfrac{1}{10^n} \]
10進法での負の整数の小数点以下の各桁の重みは(nは小数点から右へ数えてn桁目):
\[ = -\left(10^{-n}\right) = -\left( \dfrac{1}{10^n}\right) \]

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