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数式の表示にはMathJaxを利用させていただいています。数式の表示のためにJavaScriptが有効である必要があります。そうでない場合、訳の分からないLatexのコードが表示されます。幾何学図形やチャートの表示にはHTML5 CanvasやGoogle Chartを使用しています。その表示のためにもJavaScriptが有効である必要があります。

HTML5 Canvasで実用論理ゲート記号を描いてみた

今回はMIL(軍事)規格の論理ゲート記号を描いてみたその2。前回は基本論理ゲートであるORゲートとANDゲートとNOTゲートを描いた。今回は実用論理ゲートであるNORゲートとNANDゲートと、そしてXORゲートをHTML5 CanvasのAPIを利用して描いてみることにした。

NORゲート記号を描く

NORゲートのシンボルの完成図は次のとおり。

あなたのブラウザはCanvas要素に対応していません。

NORゲートを描くためのHTMLとJavaScriptのソースコードは次のとおり。

<!DOCTYPE html>
<head>
<title>HTML5 Canvasで論理ゲートを描く</title>
</head>
<body>
<div style="text-align: center">
<canvas id="notOrGateSymbol" width="100" height="50">
あなたのブラウザはcanvas要素に対応していません。
</canvas>
</div>
<script>
//特定のcanvas要素を取得して変数に代入
var canvas = document.getElementById("notOrGateSymbol");
//2次元描画コンテキストを取得して変数に代入
var context = canvas.getContext("2d");

//translate(x,y)メソッドで図形を平行移動できる
context.translate(0, 0);
//scale()メソッドで図形を上下左右に伸縮できる
context.scale(1,1);

/*
NORゲートの本体部分の輪郭線を描く
*/
//輪郭線の太さ
context.lineWidth = 2;
//輪郭線の色
context.strokeStyle = 'black';
//パス(軌道)を初期化
context.beginPath();
//輪郭線を描き始める座標
context.moveTo(12,2);
//本体上辺の輪郭曲線を2次ベジェ曲線を使って
context.quadraticCurveTo(52,2,57,22);
//本体下辺の輪郭曲線を2次ベジェ曲線を使って
context.quadraticCurveTo(47,42,12,40);
//本体左辺の輪郭曲線を2次ベジェ曲線を使って
context.quadraticCurveTo(24,22,12,2);
//closePath()メソッドでパスを閉じる
context.closePath();
//stroke()メソッドで描画
context.stroke();

/*
尾部にくっついている円の輪郭線を描く
*/
context.beginPath();
//円弧を描くためにarc(x,y,radius,startPoint,endPoint)メソッドを使う
context.arc(62,22,4,(Math.PI/180)*0, (Math.PI/180)*360);
context.closePath();
context.stroke();

/*
本体に付属する3つの直線を描く
*/
//直線の太さ
context.lineWidth = 1;
//パス(軌道)を初期化
context.beginPath();
/*右端尾部の直線*/
//描き始める座標
context.moveTo(67,22);
//直線の終点座標
context.lineTo(82,22);
/*左端頭部の上側の直線*/
context.moveTo(0,10);
context.lineTo(17,10);
/*左端頭部の下側の直線*/
context.moveTo(0,32);
context.lineTo(17,32);
//パスを閉じずに描画
context.stroke();
</scrpt>
</body>
</html>

HTMLのcanvas要素のid属性の名前がJavaScriptのdocument.getElementById()メソッドの引数と一致している必要がある。上述のコードではcanvas id="notOrGateSymbol"document.getElementById("notOrGateSymbol");のところ。

translate(x,y)メソッドは描く対象(オブジェクト)を平行移動させることができる。ここではその引数を(0,0)とした。これは平行移動ゼロを意味している。

scale(x,y)メソッドは描く対象(オブジェクト)をx軸方向またはy軸方向に伸縮させることができる。つまり、オブジェクトの拡大縮小のためのメソッド。ここではその引数を(1,1)とした。つまり何も伸縮させない状態。

描く線の太さの数値をlineWidthプロパティに代入して決めることができる。

strokeStyleプロパティでは、線の色やグラデーション、またはパターンというものを定義してそれを指定することができる。ここでは"black"という色名だけを指定した。色はカラーコードによっても"#000000"や"rgb(0,0,0)"のように指定することができる。

beginPath()メソッドでパスの初期化を行った後、NORゲート本体部分の輪郭線を描き始める座標をmoveTo(x,y)メソッドの引数に指定した。

パスとは、通り道、進路、軌道のこと。パスの初期化によってこれまでのパスの指定がさらになる。

ここでは本体部分の3辺の輪郭曲線を2次ベジェ曲線でもって描くように指定した。そのためにquadraticCurveTo(x,y,x,y)メソッドを利用した。

quadraticCurveTo(x,y,x,y)メソッドの第1引数とその第2引数のx座標とy座標では、2次ベジェ曲線の曲がり具合と曲がる方向を制御するベクトルの終点になる座標を指定。その第3引数とその第4引数のx座標とy座標では、曲線の終点となる座標を指定した。

closePath()メソッドによってパスを閉じ、stroke()メソッドによって描画した。stroke()メソッドを記さないかぎり、描いた図形のレンダリングは行われないので要注意。

次に、NORゲートの本体部分の尾部にくっついている円を描く指定をした。これには円弧を描くためのarc(x,y,radius,startPoint,endPoint)メソッドを利用した。

arc(x,y,radius,startPoint,endPoint)メソッドの第1引数と第2引数のx座標とy座標では、円の中心点を指定。第3引数では円の半径を指定。第4引数と第5引数では円弧を描き始める位置と描き終わる位置とをいずれも弧度法(つまりラジアンという単位)で指定する必要がある。

x度をyラジアンに変換する公式は次のとおり。

\[ y = \dfrac{\pi}{180} x = \dfrac{\pi}{180} \times x \]

この式をarc()メソッドの第4引数と第5引数にそのまま指定して利用した。JavaScriptでは円周率をMath.PIというふうに記す。

arc()メソッドにはオプションとなる第6引数がある。このデフォルト値はfalseであり、円弧を時計回りに描く。円弧を反時計回りに描きたければ、第6引数にtrueを指定する必要がある。

最後に、本体部分に付属する3つの直線を描く指定をした。moveTo(x,y)メソッドで描き始めの座標を指定し、lineTo(x,y)メソッドで直線の終点の座標を指定。

以上でNORゲートのシンボルは描き終わった。

NANDゲート記号を描く

NANDゲートのシンボルの完成図は次のとおり。

あなたのブラウザはCanvas要素に対応していません。

NORゲートを描くためのHTMLとJavaScriptのソースコードは次のとおり。

<!DOCTYPE html>
<head>
<title>HTML5 Canvasで論理ゲートを描く</title>
</head>
<body>
<div style="text-align: center">
<canvas id="notAndGateSymbol" width="100" height="50">
あなたのブラウザはcanvas要素に対応していません。
</canvas>
</div>
<script>
var canvas = document.getElementById("notAndGateSymbol");
var context = canvas.getContext("2d");

//translate(x,y)メソッドで図形を平行移動できる
context.translate(0, 0);
//図形を上下左右に伸縮
context.scale(1,1);

/*
NANDゲート本体部分の輪郭線を描く
*/
context.lineWidth = 2;
context.strokeStyle = 'black';
context.beginPath();
//輪郭線の描き始めの座標
context.moveTo(17,3);
//上の直線部分の終点座標
context.lineTo(38,3);
//bezierCurveTo()メソッドで右横の曲線部分を
context.bezierCurveTo(62,3,62,43,38,43);
//下の直線部分の終点座標
context.lineTo(17,43);
//左の直線部分の終点座標
context.lineTo(17,3);
context.closePath();
context.stroke();

/*
尾部にくっついている円の輪郭線を描く
*/
context.beginPath();
//円を描くためにarc(x,y,radius,startPoint,endPoint)メソッドを使う
context.arc(62,22,4,(Math.PI/180)*0, (Math.PI/180)*360);
context.closePath();
context.stroke();

/*
付属する3つの直線を描く
*/
context.lineWidth = 1;
context.beginPath();
//尾部の直線
context.moveTo(67,22);
context.lineTo(82,22);
//頭部の上側の直線
context.moveTo(0,11);
context.lineTo(17,11);
//頭部の下側の直線
context.moveTo(0,35);
context.lineTo(17,35);
//パスを閉じずに描画
context.stroke();
</script>
</body>
</html>

NANDゲート記号の本体部分の輪郭線は4つの辺によって成り立っている。その内の1つの辺に3次ベジェ曲線を使った。そして3次ベジェ曲線を描くためにbezierCurveTo(x,y,x,y,x,y)メソッドを利用した。

bezierCurveTo(x,y,x,y,x,y)メソッドでは、その第1引数と第2引数、そしてその第3引数と第4引数に、3次ベジェ曲線の曲がり具合を操作する2つのベクトルの終点座標をそれぞれ指定する。第5引数と第6引数は3次ベジェ曲線の終点となる座標を指定する。

3次ベジェ曲線についての幾何学的理論に精通していないので、引数の値は手探りでいろいろと試してみながら行った。

XORゲート記号を描く

今回の最後では、排他的論理和を意味するXORゲートのシンボルを描いてみた。その完成図は次のとおり。

あなたのブラウザはCanvas要素に対応していません。

XORゲートを描くためのHTMLとJavaScriptのソースコードは次のとおり。

<!DOCTYPE html>
<head>
<title>HTML5 Canvasで論理ゲートを描く</title>
</head>
<body>
<div style="text-align: center">
<canvas id="exclusiveOrGateSymbol" width="100" height="50">
あなたのブラウザはcanvas要素に対応していません。
</canvas>
</div>
<script>
//特定のcanvas要素を取得して変数に代入
var canvas = document.getElementById("exclusiveOrGateSymbol");
//2次元描画コンテキストを取得して変数に代入
var context = canvas.getContext("2d");

//translate(x,y)メソッドで図形を平行移動できる
context.translate(0, 0);
//scale()メソッドで図形を上下左右に伸縮できる
context.scale(1,1);

/*
XORゲートの本体部分の輪郭線を描く
*/
//輪郭線の太さ
context.lineWidth = 2;
//輪郭線の色
context.strokeStyle = 'black';
//パス(軌道)を初期化
context.beginPath();
//輪郭線を描き始める座標
context.moveTo(15,2);
//本体上辺の輪郭曲線を2次ベジェ曲線を使って
context.quadraticCurveTo(55,2,60,22);
//本体下辺の輪郭曲線を2次ベジェ曲線を使って
context.quadraticCurveTo(50,42,15,40);
//本体左辺の輪郭曲線を2次ベジェ曲線を使って
context.quadraticCurveTo(27,22,15,2);
//closePath()メソッドでパスを閉じる
context.closePath();
//stroke()メソッドで描画
context.stroke();

/*
頭部の皿を描く
*/
//パス(軌道)を初期化
context.beginPath();
//描き始めの座標
context.moveTo(10,2);
//2次ベジェ曲線
context.quadraticCurveTo(24,22,10,40);
//パスを閉じずに描画
context.stroke();

/*
本体に付属する3つの直線を描く
*/
//直線の太さ
context.lineWidth = 1;
//パス(軌道)を初期化
context.beginPath();
/*右端尾部の直線*/
//描き始める座標
context.moveTo(60,22);
//直線の終点座標
context.lineTo(75,22);
/*左端頭部の上側の直線*/
context.moveTo(0,10);
context.lineTo(20,10);
/*左端頭部の下側の直線*/
context.moveTo(0,32);
context.lineTo(20,32);
//パスを閉じずに描画
context.stroke();
</script>
</body>
</html>

排他的論理和を意味するXORゲートのシンボルでは、NORゲートの尾部の円の代わりに頭部のお皿のようなものが付属している。その部分を描くために2次ベジェ曲線を描くためのquadraticCurveTo()メソッドを用いた。

以上でHTML5 CanvasのAPIを利用して実用論理ゲートのシンボルを描き終わった。

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