円周
\[ \begin{align*}
C &:= 円周 \\
r &:= 円の半径 \\
\pi &:= 円周率 \\
\pi &= 3.141593... \\
C &= 2 \pi r \\
&= 2 \times 3.141593... \times r
\end{align*} \]
円周とは円の周りの長さのこと。英語では円周のことをcircumference(サーカムフレンス)と呼んでいる。-cum-に発音上の強勢がある。
円の半径は円の中心から周りまでの長さのこと。英語では円の半径のことをradius(レイディアス)と呼んでいる。
円の半径は円の直径の半分。半径をrとし、直径(diameter)をdとすると、\( r = \dfrac{d}{2} \)と表わすことができる。
円ではその半径がどこを測っても等しい。
円周率はギリシア文字の\( \Pi \)(ピ)の小文字である\( \pi \)を用いて表され、英語式にパイと呼ぶ慣わしがある。
円周率は数学定数と呼ばれている定まった数。ただしそれを10進法で表わすと3.141593...のように無限に続く可能性がある。円の直径(diameter)をdとし、円周をCとすると、円周率\( \pi = \dfrac{C}{d} \)と定義されている。
円周率は分数の形では表わすことができないことが分かっているために無理数として知られている。円周率は代数的な数として表わすことができないことが分かっているために超越数にも分類されている。
円弧
円弧は円周の任意の部分、したがって円周の一部、言い換えれば円の断片を指す。閉じていない円周とも開いた円周とも見なすことができる。
単に弧と呼んだ場合には円の一部ではなく、任意の2点間を結ぶ曲線一般のことを指している。
英語では円弧も単なる弧もこのどちらもan arc(アーク)と呼ばれている。特に円弧を表す場合にはthe arc of a circleのように言うことができる。
円弧は円の中心から任意に伸びた半直線によって切断された円周の一部として定義でき、その半径と中心角によってその大きさを求めることができる。
円弧の長さ(the arc length)は次のような代数式によって計算できる。ただし中心角の大きさが弧度法によって測られることに要注意。
\[ \begin{align*}
L &:= 円弧 \\
r &:= 半径 \\
\theta &:= 中心角の大きさ(ラジアン) \\
L &= r\theta \end{align*} \]
度数法を弧度法に直すには度数法の値を\( \dfrac{\pi}{180} \)倍する。
度数法による中心角θで円弧を計算する場合には次のような代数式を用いることができる。
\[ \begin{align*}
\theta &:= 中心角の大きさ(度数法) \\
L &= \theta \times \dfrac{\pi}{180} \times r \\
&= \dfrac{\pi}{180}r\theta \end{align*} \]
扇形の面積
扇形は英語ではa circular sectorやa circle sectorやthe sector of a circleなどと呼ばれている。扇形の面積は英語でthe area of a circular sectorなどと言うことができる。
扇形の面積は円の中心から放射状に外に伸びる半直線に挟まれた円弧によって閉じられた平面領域を指している。
扇形の面積は次の代数式によって計算することができる。ただし中心角はラジアンでなくてはならない。
\[ \begin{align*}
A &:= 扇形の面積 \\
\theta &:= 中心角の大きさ(ラジアン) \\
\pi &:= 3.14159265...(円周率) \\
r &:= 半径 \\
A &= \dfrac{\theta}{2\pi} \pi r^2 \\
&= \dfrac{\theta}{2}r^2 \end{align*} \]
度数法をラジアン(弧度法)に変換するには度数法の値を\( \dfrac{\pi}{180} \)倍する。
\[ \begin{align*}
\theta &:= 中心角の大きさ(度数法) \\
A &= \dfrac{\dfrac{\pi}{180}\theta}{2}r^2 \\
&= \dfrac{\pi}{180}\theta \times \dfrac{1}{2}r^2 \\
&= \dfrac{\pi}{180 \times 2}\theta r^2 \\
&= \dfrac{\pi}{360}\theta r^2
\end{align*} \]
円の面積
\[ \begin{align*}
A_{ci} &:= 円の面積 \\
r &:= 円の半径 \\
\pi &:= 円周率 \\
\pi &= 3.141593... \\
A_{ci} &= \pi r^2 \\
&= 3.141593... \times (r \times r)
\end{align*} \]
円の面積は英語ではarea of a circleと呼ばれている。
公式を見ると、円の面積は、一辺がr(円の半径)の長さを持つ正方形の面積の円周率(3.141593...)倍であることが分かる。
\[ A_{ci} = 3.141593... \times 一辺がrの正方形の面積 \]
球体の表面積(球面積)
\[ \begin{align*}
SA_{sp} &:= 球体の表面積 \\
r &:= 球体の半径 \\
\pi &:= 円周率 \\
\pi &= 3.141593... \\
SA_{sp} &= 4 \pi r^2 \\
&= 4 \times 3.141593... \times (r \times r)
\end{align*} \]
球体の表面積は英語ではsurface area of a sphereと呼ばれている。
球体の半径とは球体の中心から表面までの長さ。球体ではその半径がどこを測っても等しい。
公式を見ると、球体の表面積は、その球体の中心部を通るように真っ二つに切断したときの断面の面積(円の面積)の4倍であることが分かる。
\[ 球体の表面積 = 4 \times 同じ半径を持つ円の面積 \]
球体の表面積はそれと外側に接する円柱の上下の円を取り除いた側面だけの表面積、つまり長方形の面積と等しい。要するに、この円柱の高さは球体の半径の2倍なので\( 2r \)となり、円柱の長さは球体の円周になるので\( 2 \pi r \)となる。よってこの円柱の側面の広さは次のようになり、球体の表面積と同じ式で計算することができる。
\[ \begin{align*}
円柱の側面の面積 &= 2r \times 2 \pi r \\
&= 2^2 \pi r^2 \\
&= 4 \pi r^2 \\
&= 4 \times 3.141593... \times (r \times r) \\
&= 球体の表面積
\end{align*} \]
球体の体積
\[ \begin{align*}
V_{sp} &:= 球体の体積 \\
r &:= 球体の半径 \\
\pi &:= 円周率 \\
\pi &= 3.141593... \\
V_{sp} &= \dfrac{4}{3} \pi r^3 \\
&= \dfrac{4 \times 3.141793...}{3} \times (r \times r \times r) \\
&= \dfrac{4 \times (r \times r \times r)}{3} \times 3.141593... \\
&= 1.333333... \times 3.141593... \times (r \times r \times r)
\end{align*} \]
球体の体積は英語ではvolume of a sphereと呼ばれている。
面積では半径の2乗であったのに対して体積では半径が3乗になっているのが分かる。半径の2乗に立体の奥行きが加わって3乗になった。
4分の3は小数として表わすと1.33333...になる。掛け算の単位元1に加えて小数点以下に3が繰り返す循環小数。
球体の体積はその外側にぴったりと接する円柱の体積の3分の2であることが知られている。
\[ \begin{align*}
V_{sp} &:= 球体の体積 \\
V_{cy} &:= 円柱の体積 \\
V_{sp} &= \dfrac{2}{3}V_{cy} \\
&= 0.66666... \times V_{cy}
\end{align*} \]
円柱は英語ではcylinderと呼ばれている。日本語読みをすればシリンダー。
3分の2を小数に直すと0.66666...という循環小数になる。
円柱の体積
円柱の体積は次の式によって得ることができる。
\[ \begin{align*}
V_{cy} &:= 円柱の体積 \\
h &:= 円柱の高さ \\
r &:= 円柱の半径 \\
円周率 &:= \pi \\
\pi &= 3.141593... \\
V_{cy} &= \pi r^2 h \\
&= 3.141593... \times (r \times r) \times h \\
\end{align*} \]
ちなみに、円錐の体積はその外側にぴったりと接する円柱の体積の3分の1であることが知られている。
そしてこれらのことから次のことが明らかになる。
\[ \begin{align*}
V_{cy}&:= 円柱の体積 \\
h_{cy} &:= 円柱の高さ \\
V_{sp} &:= 球体の体積 \\
r_{sp} &:= 球体の半径 \\
V_{co} &:= 円錐の体積 \\
h_{co} &:= 円錐の高さ \\
h_{cy} &= h_{co} = r_{ci}^2 \\
V_{cy} &= \pi r^2 h = 2 \pi r^3 \\
V_{cy} &= V_{sp} + V_{co} \\
2 \pi r^3 &= \dfrac{4}{3}\pi r^3 + 2 \times \dfrac{1}{3}\pi r^3 \\
&= \dfrac{4}{3}\pi r^3 + \dfrac{2}{3}\pi r^3
\end{align*} \]
円柱の体積は、その円柱の内側にぴったりと接する円錐の体積と、その円柱の内側にぴったりと接する球体の体積との合計。円柱の内側にぴったりと接する円錐とは、その底辺の円の半径が円柱のそれと同じで、かつ、その高さも円柱と同じもの。円柱の内側にぴったりと接する球体とは、その球体の半径が円柱の半径と同じで、かつ、その球体の直径がその円柱の高さと同じもの。
円柱状の鉄の固まりが一つあったとすると、それを溶かし、同じ半径と同じ高さを持つ円錐一つと、円柱の高さと同じ直径と同じ半径を持つ球体一つを作ることができる。
円柱と円錐の表面積、そしてまた、楕円と(回転)楕円体についてはまたの機会に。
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