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マイナスかけるマイナスがなぜプラスになるのか

負の数同士の2項のかけ算がなぜ正の数になってしまうのかをちょっと考えてみた。このことはつまり、負の数同士のかけ算と正の数同士のかけ算とが互いに等しいことを証明することだと思われる。

a×b=a×b(a,bN)

ちなみに、a,bNはaとbが自然数であることを表した。そういうわけで0は、かけ算ではすべての数を0に吸収してしまうので、ここでは例外としておく。

例えば、aに2を、bに3を代入してみると、どちらも同じ6になることが分かる。

a=2b=32×3=62×3=6

そもそもかけ算とはどういうことか

自然数同士のかけ算が累加 ルイカ を表わすことはよく知られている。累加とは0に同じ数を次々に加えてゆくという足し算の繰り返しだから、文字式では例えば次のように表わすことができるのではないかと思われる。ちなみにΣは総和記号、要するに合計を表わす。

a×b=0+a1+a2++ab=0+k=1n=ba
b×a=0+b1+b2++ba=0+k=1n=ab

これではピンと来ないので、これらの文字式の文字に具体的な数を代入してみる。

2×3=0+2+2+23=0+k=132=6
3×2=0+3+32=0+k=123=6

累加の考え方をすると、2かける3は0に2を3回足したものであり、3かける2は0に3を2回足したものであるということになる。つまり、かけ算とは同じ数の合計なのだ。

2つの項のかけ算ではなく3つの項のかけ算ではどうなるか。それを文字式で表わすと次のようになると思われる。

a×b×c=0+k=1n=c(0+k=1n=ba)a×c×b=0+k=1n=b(0+k=1n=ca)b×a×c=0+k=1n=c(0+k=1n=ab)b×c×a=0+k=1n=a(0+k=1n=cb)c×a×b=0+k=1n=b(0+k=1n=ac)c×b×a=0+k=1n=a(0+k=1n=bc)

いずれも入れ子の構造になっているのが分かる。ここで入れ子構造というのはPascalやC言語やJava言語のような構造化プログラミング言語で言うところのネストのこと。

これらの文字式では抽象的にすぎて分かりにくいので、これらの文字に具体的な数を代入してみる。ここでべつに括弧を用いなくてもいいのだが、かけ算の考え方を示すために括弧を用いる。

1×2×3=0+k=13(0+k=121)=0+k=13(0+1+12)=0+(0+1+12)+(0+1+12)+(0+1+12)3=0+2+2+2=61×3×2=0+k=12(0+k=131)=0+k=12(0+1+1+13)=0+(0+1+1+13)+(0+1+1+13)2=0+3+3=62×1×3=0+k=13(0+k=112)=0+k=13(0+2)1=0+(0+21)+(0+21)+(0+21)3=0+2+2+2=62×3×1=0+k=11(0+k=132)=0+k=11(0+2+2+2)3=0+(0+2+2+23)1=0+6=63×1×2=0+k=12(0+k=113)=0+k=12(0+3)1=0+(0+31)+(0+31)2=0+6=63×2×1=0+k=11(0+k=123)=0+k=11(0+3+3)2=0+(0+3+32)1=0+6=6

1かける2かける3は0に1を2回足することを3回繰り返す計算であるし、1かける3かける2は0に1を3回足すことを2回繰り返す計算であるし、2かける1かける3は0に2を1回足すことを3回繰り返す計算であるし、2かける3かける1は0に2を3回足すことを1回だけする計算であるし、3かける1かける2は0に3を一回足すことを2回繰り返す計算であるし、3かける2かける1は0に3を2回足すことを1回だけする計算であることになる。

かけ算の項が増えるごとに入れ子がさらに入れ子になってゆくだけであり、項がどれだけ増えても考え方はこれと同じだと思われる。

負の数をかけるとは?

ここからがいよいよ本題。それじゃあ、負の数をかけるということはどういうことなのか。正の数をかけることが累加だったから、負の数をかけることは累減 ルイゲン であると考えてみる。累加が0に同じ数を足し続ける足し算の繰り返しならば、累減は0から同じ数を引き続ける引き算の繰り返し。累減を文字式で表わすと次のようになると思われる。

a×(b)=0a1a2ab=0(a1+a2++ab)=0k=1n=ba
b×(a)=0b1b2ba=0(b1+b2++ba)=0k=1n=ab

これらの式を見ると分かるように、累減は累加した数を0から引くことと等しい。文字式のままだと抽象的で分かりにくいので、これらに具体的な数を代入してみる。

2×(3)=02223=0(2+2+2)=06=6
3×(2)=0332=0(3+3)=06=6

正の数をかけるということは、かけられる数をかける数回足してその数を0に加えることであるのに対し、負の数をかけるということは、かけられる数をかける数回足してその数を0から引くことであるのが分かった。

2×3=0+2+2+23=0+(2+2+2)=0+6=6
3×2=0+3+32=0+(3+3)=0+6=6
2×(3)=02223=0(2+2+2)=06=6
3×(2)=0332=0(3+3)=06=6

これでかけ算の計算手順が分かった。かけ算をするときには、かけられる数をかける数回だけ繰り返し足して、かける数が正の数ならその合計を0に足せばいいし、かける数が負の数ならその合計を0から引けばいい。

2項のかけ算ではなく3項のかけ算でもこの計算手順を試してみる。

1×2×(3)=0(0+1+12)(0+1+12)(0+1+12)3=0222=0(2+2+2)=06=6

より一般化して抽象的に文字式で表すと次のような入れ子構造になると思われる。

a×b×(c)=0k=1n=c(0+k=1n=ba)

負の数に負の数をかける

それじゃあ、負の数に負の数をかけるとどうなってしまうのか。かけ算の計算手順にしたがって計算してみる。

2×(3)=0(2)(2)(2)3=0(2)+(2)+(2)=0(6)=0+6=6

あるいは次のように計算しても同じことだろうと思う。

2×(3)=0(2)(2)(2)3=0+2+2+23=0+6=6

この式において、ある数から負の数を引くことがその数を足すことに等しくなっていることに要注意。

この計算を一般化して抽象的な文字式で表わすと次のようになると思われる。

a×b=0(a1)(a2)(ab)=0+a1+a2++ab=0+k=1n=ba

この形、どこかで見た覚えがある。そう、aかけるbと同じだ。

a×b=0(a1)(a2)(ab)=0+a1+a2++ab=0+k=1n=ba=a×b

この文字式に具体的な数を代入してみる。

2×3=0(2)(2)(2)3=0+2+2+23=2×3
2×3=0+2+2+23=0(2)(2)(2)3=2×3

正の数同士のかけ算と負の数同士のかけ算が等しいことをこれで導き出すことができた。

まとめ

  1. aかけるbは、0にaをb回足すこと
  2. -aかけるbは、0に-aをb回足すこと
  3. aかける-bは、0からaをb回引くこと
  4. -aかける-bは、0から-aをb回引くこと
  5. 0から-aをb回引くことは0にaをb回足すことと等しい
  6. したがってaかけるbは-aかける-bと等しい
  7. それゆえ-aかける-bの答えは正の数にならなくてはならない
  • かける数が増えて3項や4項になると、それは入れ子構造として計算される

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